2015/01/14

J.Herbin "1670 Stormy Gray"




期待した「メタリックグレー」というより、「ラメ入りブラック」と言ったほうが適切。

ネット上でやたらギラギラを強調したライティングで華々しいメタリックぶりを披露しているけど、
どうなんでしょうね。

1670のレッドより金泥がサラサラで、瓶の中で流れるように動く
(レッドの金泥はネットリドロリとして、そのような"Stormy"な動きは見られない)。

透明軸に入れてナンボの視覚的な美しさが、ペンに入れても見られる。











     数秒後にはこんな感じ(動画向けですな)。レッドはネットリ瓶底にくっついたまま。



が、金粉がまんべんなく液体に混じらないので、キラキラの露出に「かなり」ムラがある。
だいたい「単なる黒?」なところに、ちょっと休憩を挟んでまた描き出すと一時的に光る、という具合。
(レッドの1670はまんべんなくメタルが発色する=多分この粘性の高さで「ペン先が詰まる」とかのクレームを受けて今回のサラサラ金粉、ということなのかもだが、私としては「発色イノチ、ペンは二の次」、こういう変節=ペンを第一にして発色をないがしろにしてリニューアルする、にはリアルに被害を被ってるから良い気はしない)

さておき、
「マットにメタリックに光る=金泥」(1670レッド)ではなく、
「細かなラメがキラキラ粒子状に光る=金粉」(1670グレー)。
全く異なる発色。






たぶん「万年筆のフィードの長さ」にも金粉の露出の多少がかなり左右されるみたい。





      ink : J.Herbin "1670 Stormy Gray"
      pen : Pilot Parallel Pen (6.0mm)



フィードが短めでフロードブドブのブロードニブ、パイロットパラレルペン(6mm)でこんな感じ。すげえ!?と思ったら、





     この程度にもなるし、やはりムラありまくり。
     (事実一枚目の描き出し部分はほとんど黒)




調子こいて「ペンを下向き(金粉をペン先に溜まらせる)」にしてたら、みんごと詰まったし
どうした加減か、ペンの置き方か間の置き方か、「金粉オンリー」になる時はやはり超渋くなって描けなくなる。とか。
(改善なのか改悪なのか、こうなると解んねえな。パラレルペンが特殊なんだけど)

しかしまあパラレルペンとかで金粉出まくって描けると、
非常に和的な美しさで好み。しばらく遊べそう。



普通にシェイクして普通のペン先に入れて書く分には「品良くわずかにラメが入るグレー寄りの黒」。
普通のペン先でもメタリックな陰影がゴージャスに出る1670レッドとは違います。


つまんないっちゃつまんないんですが、
いや、いい黒なのよ。

漆黒好きで、グレーに濁ったブラックを嫌悪している私が
「艶っぽいわね」

「濁り/白濁」にならない。グレーに見えない。
細かなラメのせいで光る、それが黒さを引き立てる、
真っ黒にラメなら下品だが、ややトーンを落とした黒が光る、
けっこう高度な色気、やはり一種日本的情緒のある黒で、
「これなら書きの常用にしてもいい」と思えるくらい。 他に無いでしょ、こんな黒。
(フローもゲルインク並みにヌラヌラで快適。渋めのレッドとはここでも相違)





     上から撮(見)るとこの程度。





           斜に撮(見)るとこんなかんじ。




普通のペン先で「逆さ金粉沈澱」策に出ても詰まった。
つまり「カバンの中とかでペンケースが逆さまになると詰まる可能性がある」つうことです。
が、ペン先をインクに浸すとすぐに詰まりは流れる程度(&ギラギラの発色が楽しめます)。
今のところ危機的状況に陥ってないけど、入れっぱなしで頻繁に使わない人にはどうだか知れないし、
「書く官能よりペンを大事にする」ような本末転倒な人種は避けたほうが無難なインクではあるでしょうね。



レッドばりの「コンスタントなメタリックグレー」じゃなかったのは残念だけど
買ってよかったよクソ高かったけどね円安で







ペリカンM205さんも、このような風情をかもし出します。ビジュアル的にもかなりの高得点。
GoGoフランス。 日本も見習って〜(これくらいキレてみろっつうのマジで)。



ttm