2015/08/22

TWSBI "Eco"









。。。。。。書く気はなかったのですが。
誰かがすでにどこかで書いているとかは、見ませんので存じ上げませんし
だいたい独り言なのですけれど。。。。。





普通『エコ』と言われたら、
ミニマム=シンプル=コンパクト、とイメージするのは、私(日本人)だけでしょうか。。。





TWSBI  "Eco" / Pelikan "M205"




若干太いのは良いですよ。。。








でもこの『クソデカくて重い』、『お尻にポストしたら異様な偉容』、『バランスもどうなのよ』『本当にこれで良かったの??』『ナニかの間違い??』としか言いようの無い、キャップ。。。。。キャップ。。。。




キャップしたままの常態でも、デザイン的なバランスは、はっきり言って、申し訳ないんですけど、台湾びいきですし、TWSBIにいろいろお世話にもなりましたし、サービスは満点なんですけど。。。
。。。野暮。。。ダサい。。。。。正直箱を開けて取り出して手にした瞬間、「やっちまった」。




ペン先はMiniのとは違って、Fですらかなり細く、日本メーカー並み(ミニは海外メーカーサイズでした、たぶん)。悪くないですよ。
ミニよりはるかにインク容量大きいし。ニブ+フィード部分が完全に見えてるのもいいです(1670Grayとかのクセ者インクでも詰まりの原因が見た目で分かる。ミニはニブユニットになっていて中身が見えない)


けど、Vac700の失敗を彷彿させます。
ミニのデザイン性/トータルのバランスの良さ、が例外なのですか?



TWSBI  "Mini" / TWSBI  "Eco" 



プラ製でやたらデカいキャップが浮いて強調されて、全体を必要以上に安く見せてます。
これがコンパクトなら、スッキリして質感が安めでも全体のバランスが取れて見られます。
というか無性に非常に無闇に残念です。
手の届きやすいこの価格帯で「吸入式」は(正直使えないオモチャ並みのヌードラーズを除いて)存在しないですから、「スゲーTWSBI、やったね!まさに私(多くのヘビーユーザー)が必要としていたものだよ!」、超期待して買ったらこれだもん。。。
キャップさえスッキリコンパクトなら(これの半分の長さで本体と同じ太さなら)超カッコよくて使えますよ。なんでこんなデッカイの無意味に? しつこいけど? 今からでも変えられない??? マジな話?







まずお尻にポストして使えないです。
(やたら長くて偉容、それが安っぽいから見られたものじゃない)
外したボディだけならスッキリしてかっこいい。
から、なおさら、邪魔なキャップ握りしめて遣る瀬ない気持ち。。。
書き終えてキャップを付けた姿に溜め息。。。
愛用(常用)できませんよ。


安い素材感でもラミー『サファリ』、パーカー『ベクター』、なんかはデザイン性が高い(バランスが美しい)からカッコいいんです。身の程(チープさ)をわきまえたミニマム・デザイン、スッキリした機能美、で「安さ」を免れているのです。ペリカンM200/205デモンストレーターなんかもそうですね。


チープな作り/素材感なのに大振りなサイズ感と、無意味にデコラティヴに突出したキャップ、は致命的な「安物感」=野暮を作り出しています。


ついでに、ペン先方向のバレル内部にも「要らん溝」が付いています。
おそらく「インクが溝に溜まって美しい見栄え」の演出を狙ったのでしょうが、
これも私の感覚では「小汚く見えて」逆効果です。
ブラックインク使用なので、なおさらこんな感じにスッキリしません。






ともかく、デザイン的に失敗だと思います。
企画としては凄い(サファリクラスの価格帯で吸入式、現行品ではほぼ唯一)から、しつこいですけど残念至極。
ヘタに「他のと差別化しよう」とデザインをアレコレしたんでしょうけど、
シンプルで通して欲しかったですね。Vac700の奇妙に特化して野暮になってるデザインを思い出させます。
デカいサイズ好みの外国人(アメリカ人)ユーザーには受けるんでしょうか? 計り知れませんけど、
私には受けませんでした。



マイナーチェンジはしそうにないですし、他社がこの「空白地帯」(お手頃価格の吸入式透明軸、かつグッドデザイン)を埋めてくれることを期待します。



ttm








2015/08/20

MITSUBISHI "Hi-Uni"





万年筆から遠く離れて。または目も眩む灯台下暗し。





MITSUBISHI Hi-Uni (10B / 6B )、Uni(4B)





道具は大事です。



グラファイトは必要無いと思っていました。

「描いてる最中も、描いた後も、始末が悪い。黒の色鉛筆のほうがキッパリ黒だし扱いが楽、なんでグラファイトを使う必要があるの」

イカレているので、
「道具に自分を合わせる」ことは金輪際無理。いかに
「自分に合う道具を探すか」、のみ。
だが、「探す根気」にも欠ける。
ぶち当たったら御の字的運任せ、
それでもイカレた脳裏の片隅で常に手探りで探しているらしい。


三菱/ハイユニ。


尊名は拝しているし、「ネームバリューに踊らされるもんか」の反骨も働き、そもそもグラファイトは何度か試して「手に合わない」。
世界的に評価が高くても、「ふ〜ん。おれにはカンケー無いね」。


。。。。。どれだけ損してたの?????
ヘタな外国製、あるいは国産でも「三菱ハイユニじゃない」そこらへんのヘタなグラファイトで「ダメだ」って思わされて。

三菱は使ってはいたのです。このハイエンドラインではなく、それもハイエンド中のハイエンド
『三菱ハイユニ/10B』ではないただの三菱は。


9B止まりでした。外国製/日本製含め。それで「ダメだ」でUターン。
そもそも大振りなタッチで大物を描くことが多かったので、
「鉛筆なんか使ってられない」=「スティックあるいはホルダー」の選択肢に狭まり、
軟質の感触+濃い発色を好むためなるべく『高B度』を探してはいても、外国産、または三菱以外の国産に当たっていたのですロクでもない。

紙を海外から取寄せる途上、AmazonUSA(日本のAmazonと違って割とプロフェッショナルな人達がみっちり「伊達ではなく実用的な」書き込みをしている&そもそも美術の裾野が広いから購買層も厚い)で熱烈なバカ褒めの嵐を読んでると、「まあ確かに日本の鉛筆は高品質よね。。。というか10B??」改めて発見、その気になって「本当に」良かったありがとうAmazonUSA。



近場であっさり手に入ったハイユニ10B/6B、大して期待もせずに試しに描き出し、
手持ちの普通のユニ4Bも引っぱり出して、
結句、
「ああ、これがグラファイトか!」
舐めてました。すみません。というか、画材屋で売ってるバカな外国製の「高B度グラファイト」駆逐してください。あれはグラファイトではありませんパチモノです。こんなに楽に美しく描けるんですか?

『アートセット』で10H〜10Bまで揃っている。
「硬度を変えて描く」はイカレた精神上ムリだと思っていたが、実際使うとなるほど描きやすい。
グラファイトの性質上、「硬度を変えて描く」は「発色を変える」と言うより「描く強さ(細かさ)を変える」なのね、基本「色は同じ」だから。
(10Bあたりに関しては、ただのグラファイト+αの黒さはあって、明らかに「色は違う」が)

しかし、10Bのまさに「バターのような(AmazonUSA評)」大胆なヌメリ、濃さ、なのに粉っぽくない描き心地あってのグラファイト再評価(6Bだけ買っていたのでは解らなかった)、硬度を変える手応えと意味の発見なので(普通のユニの4Bの良さも解りました)、10Bが凄いです。
というか9Bでも8Bでも凄いでしょう。
手持ちのユニHを動員しても、この場合意味を感じなかった(邪魔だった)が、H周辺で描くなら本領発揮されるでしょう。つまり『アートセット』は買ったほうが良い。買うべきだ(AmazonUSA賛)。おれもそう思う。


この描きやすさと効果を見れば、粉が飛ぶだの汚れるだのなんか。。。。というか、「他のグラファイトより定着も良いんじゃね?」だいたい10Bなのに「強く描いてもほとんど粉が吹かない」
。。。。。。。三菱。。。。。。。合掌



ttm
















2015/08/16

SANFORD "KARISMA (PRISMA) COLOR"












中身はこうです。






チェコ軍のメディカルケースのデッドストックを爆安で購入したら色鉛筆にピッタリサイズ、
ブリキ製で、使い込むとメッキが剥げてスチールがむき出し、錆びてアタリがついてくる。シブい。そして頑丈。
もっと買っときゃよかった。。。(足りない)。。かなり後悔中。。(色鉛筆の缶だけって売ってないの?)

(注記:色別にシールでカスタム=「軍用だからもともと付いてたステンシル」ではない)



ほぼ米・サンフォード『カリスマカラー(プリズマカラー)』が入っている。
馬力描きで濃厚な画面(ほとんど油彩並み)にはカリスマカラーが素晴らしく向いていたが、現在繊細で淡いタッチに傾いているので、独・ファーバーカステル『ポリクロモス』が手に合って、徐々にそちらが増えている。
(稼働中のは別のペンケースに入っているので、これは待機組)


フルカラーで描く時はみっちり混色するので色数は大して持っていない。
そもそもキレているので、作画時に悠長に何色もの色鉛筆に目を向けていられない。
3色ぐらいの混色でも同業が舌を巻く絵は描けるので、「色鉛筆は色数を揃えてなんぼ」、のような根拠不明な訳知りの言説は冷笑に値する。好みの(または生理的に描いてしまう)色以外には全く手が出ないので店頭で吟味してバラで買う。
現在単色で描くことがほとんどなので、万年筆のインクよろしく「単色で好みの陰影が出る」色を血眼でお試し中、結果、多色で描いていた時より色数が増えつつある(のでケースが足りない)。



前置きはともかく、カリスマカラーです。

『イーグルカラー』から『プリズマカラー』に移行したあたりから使っているが、
会社の合併の連続やらナニやらの複雑な事情で市場に出回っている現・カリスマ(プリズマ)カラーも複雑怪奇なことになっている。






私が持っている大半(恐らく2年ほど前に買ったものが多い)は、
『PRISMACOLOR』の刻印の上から『KARISMACOLOR』のシールが貼ってあるもの。


しかし、中には
本体に『KARISMACOLOR』の箔押しのみのもの(おそらく最新版)も混じっているのだが、




『USA SANFORD』の刻印が無い。(画像:真ん中)


画像:上が、「シールバージョン」。

そしてさらに、画像:下の個体が、「米国流通バージョン」。



ネット上でちらりと見ると、
「並行輸入の安いやつを買ったらメキシコ製の粗悪な旧『プリズマカラー』だった!」
「旧バージョンだ! カリスマカラーじゃない!!」
とかケンケンゴウゴウ(Amazon上で)。

私は今まで全部日本国内流通版を買ってきたので、「粗悪なメキシコ製」にはお目にかかったことはないんだけど、
ここ(Amazon.co.jp。つまりは日本の消費者間)で誤解があるのは、
「米本国では『カリスマカラー』は売ってない。プリズマカラーしか存在しない」という事実が抜け落ちている点。


画像の一番下の全くデザインの違うやつ、これが米国バージョン。今も「旧」ではなく「現役」のプリズマカラー。
「カリスマカラー?ナニそれ?」なのですアメリカでは。

私はこれを日本の業者から買ったので、「粗悪品」がまぎれていてもしっかり弾かれてるんでしょうな、木軸の質も問題無いし、芯も普通に良い。(ちなみに『Mexico』の刻印は無いけど『USA』も無い)


確かに現行米国版プリズマカラーにはメキシコ製の粗悪品が多数混在してるらしく(芯の質というより、木軸の質が主に悪いらしい。Amazon.USAでも非難囂々)、
諸事情は知らないけど、恐らく「日本人を含む外国人ユーザー(欧州が多いでしょう)ほどアメリカ人が色鉛筆(他の画材/文具も)の質にウルサくない」前提で、アメリカ本国でテキトーバージョンを売り、海外バージョンは別枠で「ウルサくクレーム言われない」ようなのを作って売っている、それをもう『KARISMACOLOR』って名前でキッパリ分けちゃいました、なのかなと。


米国内の質が落ちたのも最近のことみたいだし、
『USA SANFORD』の刻印を消している最新のカリスマカラーも怪しいし、
(なんか少し見ると、サンフォード自体もう別の会社の傘下らしく、『USA SANFORD PRISMACOLOR/KARISMACOLOR』自体、現在存在しないみたい。アメリカのPRISMACOLORが粗悪なメキシコ製混入らしいのは確かだけど、じゃあ、無刻印の『KARISMACOLOR』はだれがどこで作っているの??だがまあ、質に変わりないなら何でもいいんだけど混沌だ)
正確なところは計り知れませんが、質が落ちたら使わないまでのこと。
素晴らしい色鉛筆だからそうなったら惜しいけどね(今の生理がポリクロモスなので対岸の火事的のん気さ)。



いずれにしても、ネームバリューなんか全く知らない上で試しまくって手(目)に合ったのが
カリスマ(プリズマ)カラーであり、現在はポリクロモス。
(軟度、滑らかさではカリスマ、肌理の細かさではポリクロモス。
カリスマカラー愛用時には、「高過ぎて意味不明」でスルーだったカランダッシュ『ルミナンス』も、単色狙いの現在浮上中)。
過去には『三菱7700』(製図用の超・硬質色鉛筆)で会心が描けたり、なのでその時々の手に合うものを使うまで。
この先も不明。


ttm








Faber-Castell Polychromos / Sanford Karismacolor (Prismacolor)