2015/02/10

丸川商店 『百人帳』




            Marukawa Shoten "Hyakunin Cho"




松坂木綿、正藍染めの布張り表紙、A5、無地のみ。

表紙パターンはいくつかある中で、
「ノートの罫線や方眼」を生理的に受けつけないのと同様、
「規則的なチェック」「規則的なドット」「規則的なストライプ」を嫌悪しているので
(クレイジーチェック、ランダムなドット、そして不規則な縞模様=矢鱈縞はOK)
これを選んだ。


基本、ストライプは好きなのよ、ランダムに限るけど。
(ちなみに「ボーダー」は大嫌い。その心性に関しては論文書けるくらいの考察・持論をものしている。
簡単に言うと、「ボーダー(横縞)=均衡/安定/静止」、「ストライプ(縦縞)=落下/上昇/動的」。
直訳すると『ボーダー=野暮、ストライプ=粋』。
というわけでボーダー嫌い、「ボーダー好き人間」とは基本ハナシが合わない)


とあるショップでは「父の日ギフト」にカテゴライズされていたが、
「美意識」とはかけ離れた、貧相で紋切りな通俗観念しか持ち合わせていないらしい。
紺地の着物は、オッサンがそれなりに着てもそれなりだが、妙齢の女性が着て色気があるものだ。
そういう情緒が一般的に失われて久しい哀しい日本だよマジで。


さておき
2700円と、A5ノートにしてはかなり高い部類
(海外メーカーの正規輸入品も近い値段だが、「自国値段」はもっと安い。から、国内生産品価格としては確実に高い)
円安で、必要な無地ハードカバーノートを海外通販でゲットするにも安くはない状況だから、
以前なら「一ヶ月の消耗品には高過ぎる」と敬遠した価格ながら範疇に入ってきた。

200頁(100シート)とページ数が若干多め(大体ハードカバーノートは190頁前後/未満が多い)、
書籍用紙とかや、全く裏抜けのない、薄くも厚くもない良い塩梅の白い紙が表紙の藍染めに合っている。








しかし見開きは、期待したよりよろしくない。
「製本にこだわった」とあったので「美篶堂か?」と勝手に思っていたのだが、
「背表紙を支点に開いて持つと、『への字』に柔らかく全開する(つまり180度オーバーに軽やかに開く)」快楽の美篶堂綴じからはほど遠い堅さ、で、これが唯一の難点。


しかしまあ、美しいわ。





            美しいから接写してみた。こんな布目。




ハードカバーノートヘビーユーザー的には、「綴じ、見直して出直して」(価格的にも)だけど
織元残一の重要無形文化財、失われゆく旧き良き日本情緒(特に工芸/建築)に痛切な愛惜を持つおれ的にはOKだよ
がんばっておくんなはれ、松坂。

ttm








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