2016/09/20

Conté à Paris Graphite 601






Conté à Paris Graphite 601 (France)



Rough       ★★★★☆
Dry           ★★★★☆
Soft          ★★★★☆      
Black        ★★☆☆☆




あー、えー、見ての通り。
お店で試し描きしつつ使えるから周辺硬度を増やしていって、B/HB/Hを愛用。

つまり「2B以上は違う」。

具体的に言うと、
「B/HB/Hに特徴的な乾いた軽い描き味(=コンテ・ア・パリ・グラファイトの醍醐味だと思っている)が薄れて重くベッタリとした手応えと効果が出る」
から、3硬度で全く満足してたんだが、
エゲレスショップで日本の半値と安かったもんだから、バーゲンセールに踊らされるバカよろしく2B以上を買ってしまったらいつものように後の祭り。


3Bまではいいかもしれない。
4B以上はどうかと思う。







3Bまでは明らかな硬度差がある(硬さ、発色の濃さ)。
個体(ロット)差にしろ、4Bと5Bの硬度が逆転している(明らかに4Bのほうが濃くてソフト)。
6Bは確かに最もソフトだが、肌理/発色的には「3B〜6Bの間に大差は無い」

公平を期すと、
他のメーカーでも2B以上は「発色に劇的な差は無く、柔らかさと肌理が変わる」だから
描き比べても硬度間の発色は大差無く見える。
が、コンテの場合、「肌理はほぼ同じ。ソフトになっていくと言うより、もろくなっていく」






5B/6Bはこの有様。
携帯用シャープナーではボロボロに折れる。カッターで削ってなんとか描けるが
他メーカーではこの硬度でも可能な「長く芯を出す」は不可能。
(描いているうちに簡単に折れる。あるいは既に内部で折れている)





。。。。実は、「世界堂には3Bまでしか置いていない」。。。
(だからこそそれ以上の硬度がこんなひどい有様だとは知る由も無かった)

グラファイト表面のコーティングが雑なコンテのグラファイトリードも世界堂で取り扱っていない。
(他社のグラファイトリードと違い、剥がれかけのビニールみたいなのでくるんであるだけ)

悪名高いダーウェントのグラファイトペンシル他、ダーウェント商品を置いていない。。。


色々探して買っているうちに、「世界堂の商品セレクトのクオリティ、高くね?」
という事実に行き当たったのです。。。

わざわざ「全硬度あるうちの特定の硬度を弾いて置いている」目利き振り、
あるいは代理店のそれなのか。。。


どこでも置いてあるとは限らない『スタビロ・オリジナル』(実はかなり使える硬質色鉛筆)、
スタビロ製品自体マイナーな部類だから、どうだかなと危ぶみながら電話で聞いたらあっさり

「あ、スタビロ、オリジナルですか? バラでございますよ」 (使えるよ、あんた)

北星のグラファイトとクレタカラーを置かないのはどうかと思うけどね。



世界堂賛美に流れてしまったが、
コンテ・グラファイト、B/HB/H、
サラサラに乾いた軽い手応えと心地良い摩擦感、ラフながら柔らかくスムースな紙当たりと細やかな効果、
ワックス感ゼロ、粒子が粗いわりにムラもわずかな良質なグラファイト。
他の定評のある密で滑らかな鉛筆(特に国産)ではマネできないラフなタッチを楽に大振りに描ける。
比肩するのはクレタカラーくらい。 他に無いし、無くては困る。
普通は硬すぎるHが程良く柔らか。くらい、ソフトさでは北星に次ぐ。
が、黒さでは国産に負ける。ほとんどグレーと言っていい(3B以上はそれなりに黒い)。

新デザイン、シンプルなマットグレーの丸軸にシルバーのレタリングがむちゃくちゃシックだしね。
最優良デザインの鉛筆だと思う。
(以前のは普通に鉛筆っぽいデザインだった)


あくまで2B以下をお勧めする。(要らんもん買うたわ、また)














2016/09/14

Derwent Pencil Case (Tin / Canvas)





from UK











Conté à Paris Graphite 601 
(日本の半額。セットで買おうと思ったら送料がはね上がり、既に持っていて使えないと解っている硬度も要らないし、でバラ)

Conté à Paris Graphite lead 659
(他のオールグラファイト鉛筆に比べて仕様の質は悪いが芯自体は使えるので、これも国内半額ついで買い)

Faber Castell Pitt  Graphite Pure 2900
(これも半額。国内では無闇に高い。買うつもりはなかったんだが安さに目が眩んだ)

Cretacolor Cleos Fine Art Graphite 160
(コンテのグラファイトと共に最近のお気に入り。6硬度セットを海外から買ったが他の硬度にも欲が出た。国内では「無い存在」かのような販路の狭さ、近隣では手に入らない。ネットで買えるバラも硬度が限られていたり無体な送料がかかったり)





Derwent Pocket Pencil Wrap



グラファイトリードを鉛筆と併用する事はあまり無いので、リードだけ、大物を描く時の持ち出し用に買ってみた。
キャンバス地だからけっこう汚れる。鉛筆よりネバついて濃いのが多いし芯の露出も多いから。
他に転用するか。






何の変哲も無い外観。
ペンケースに変哲は要らないのでこれでいい。






Derwent Pencil Tin



鉛筆を買い過ぎて収拾がつかなくなってきた。
一線で気に入って使っているやつはともかく、
「使えないことはないが二軍落ち」の鉛筆で机の上が溢れていたのが少しは収まった。
(二軍落ち以下の「全く使えないジャンク品」も多数あるがそいつらを「収納」する意味など無いのでどうでもいい)

といって画像、上部トレー内のMONO100とコンテ・ア・パリ・グラファイトが「二軍落ち」というわけでは全く無い。
「すぐ取り出しやすいように上部トレー」に鎮座。
下部トレーも今は手に合わないが悪くない/時=紙に応じて使うだろう面子。


上下パーテーション各2段入って計48本という売りだが、欧州産の細い鉛筆で48本、国産は1列11本しか入らないから44本。

パーテーションの無い深いだけのペンケースは整理がつかず、混沌状態になる。
(ちなみに無印のプラ製のは3段入るが、やはり3段は取り出しにくい。2段が限度)

しかしこういう太軸が入ると2段は無理になってくる。↓ ファーバーカステルのジャンボとかもダメだろう。









made in China quality

こういう凹みが見るだけで4カ所。上部トレーも微妙に歪んでいる。閉まりも甘い。

広げると場所を取り、スロット式で取り出しにくい巨大なロールペンシルケース等は全く実用的ではない「趣味」のもの、
メーカーや用途で小分けできて持ち運びにも楽/安価/実用的な缶ケースを好むんだが、
国内にしろまともな供給がほとんど無い。
中国製で粗悪(英米のレビューで高評価の一方、それらも散見する)なのは承知でこれを買った。
使える範囲内だからまあいいよ。






まあ、みてくれもあるんだがね。






オマケ:
買物の本命は紙だった。
USAから買ったらロクでもない状態で送りつけやがった(使用不能)し、
Made in USAの紙がUSAからより送料が安いといういつものUKミラクルで買ってみたんだが、

UK、お前もか






世界一のクレーマー民族=日本人からすると、度し難い感覚です。










2016/09/09

KUM "The Masterpiece"












Long Point Sharpeners 

KUM "The Masterpiece"
KUM "Long Point 400-5L"
M+R "Metal Pencil Sharpener Triple"



ここに
KUM "Automatic Long Point Sharpener" ↓ を加えるべきだが


色鉛筆を大量消費して描いていた時期に酷使、あっさり壊れて使えなくなってしまったため良い印象は無い。
(ちゃちなプラスチックのフタの接続部分が簡単にハズレて壊れる。ブレードの取り付けも甘く、すぐに芯がボキボキに折れるようになってロクに削れなくなる)
その時ほど酷使しない現在なら使えるかもしれないが、再度買う気にはなれない。
(取り付けベースがプラのものは結局ガタが来るのが早い。複数多数使ってきた経験則)


そうこうしてマスターピースが発売された(たぶん去年)。


KUMの『ロングポイント400-5L』以外の
『マスターピース』『オートマチック・ロングポイント』『M+R三穴』が、
「木軸のみ削れる」+「さらに芯先を削れる」ダブル機能を持っている。

大画面で色鉛筆を猛スピードで消費していた頃には
「木軸のみ削れる」(ムダに芯を削らない)機能しか必要ではなかった。

が、現在真逆に主に鉛筆で細かいタッチで描くため、
「長く、かつ細く芯を出せる」機能が必要になってきた(なるべく削る手間を少なく長時間細さをキープして描ける)
これは「筆記」使用者のニーズにも合うんだろうと思う。







一目瞭然だが、マスターピースが突出して(イカレて)いる。
手元には無いが、オートマチック・ロングポイントはマスターピースのストッパー(ブルーのプラ部分)が固定されている状態なので、研ぎ出す長さも限られていた(常識範囲内だった)。

M+Rは、芯は同じく際限なく長く出せるものの、芯を研ぎ出す穴の刃の角度が微妙で、尖らせようとすると芯先が砕けて結局「普通のシャープナー並み」の結果になってしまうことがある。
(画像は普通に削れるもう一つの穴で削った後に木軸のみ削ったもの)。
木軸だけ削り出すのが目的の過去にはヘビーユーズだった(オートマチック・ロングポイントのように壊れない。作りが堅牢)が、
「長く、かつ細く」削り出す機能を完璧に持っているのは、ザ・マスターピース以外、現在携帯用では絶無だろう。
削り跡も非常に美しい。











芯径に依っては(H以下の細い硬度等)木軸が少々残ってこういうことにもなるが、これはまあ遊び過ぎ。








ちなみに、マスターピースが来る前は、
なるべく描いている最中の削る手間を減らす+芯が長めでないと寝かせて描く等が出来ない、ため
カッターで木軸を削って芯を長く出しておき、必要に応じて芯先を芯研器等で軽く削る、という方策だったが、
その自分で用意した鉛筆の切っ先の角度とマスターピースのそれとがかなり似通っているのを見て、
つまり「使える」のを実感した。

実際、すこぶる使える。削り跡も美しいので気分も良い。







替えの2枚のブレードがこんな隙間に入っている
(のに気付かず、「どこにもねえよ!!??」とお店に苦情、直後に発見、「すんません」平謝りメールを出すハメになった)








しかし、とにかく、デザイン、最高。

ヘンな高級感に走らず(◯ックスみたいな、真鍮ってだけでオッサン大喜びだが機能的にはどうなのよ、とか)、
かといって日本製みたいに安っぽい学童用しかない絶望的なデザインでもなく、
レトロな工具的な配色、
全く無意味な「フカフカにクッショニングがある」ケース入り、も異常に愛らしい。
トータル、「ちょっとギミックだが本格的」な、デザインと機能のバランスが相当高度なセンス。
(はっきり言って、鉛筆削るのに「ケースから出してさらにプラケースから出す」のは全く効率的ではない。んだが笑って許せる愛嬌を感じるのは、伊達ではなく目を見張る実力があるから)
海外価格でも1500円程度という高額設定も「上手いな〜」と感心する。
(子供は初めから眼中に無い。大人の、それも玄人狙い。強気の価格が却って自信を物語り箔を付ける)
「もの」として持っていて楽しい、嬉しいデザインと存在感は、他に無い高機能あってこそ。
売れるよ。
(事実売れていると思われる。ネットで見るとYoutube他、コアな鉛筆ユーザーが笑えるくらい使っている)。

日本の文具業界、新旧どれも野暮/ぬるい。このギリギリのキワどいセンス、逆立ちしても無理だろう。













2016/09/08

久しぶりに From UK









要らんオマケが入っていた。
(STAEDTLER Mars Lumograph black SAMPLE)
すでに試して「使えない」認定がとっとと下りている新星ダメダメ鉛筆





おまけに大嫌いなマルス・ルモグラフの6Bまでセットされている。

はっきり言って、売れてないんだろう、ブラック。
ルモグラフの「使えない7B/8B」の「ニセ・グラファイト(ほとんどチャコール)」の性質を全ての硬度に敷衍した、重くて粗いだけのロクでもないシリーズ。
黒さを求めるなら質の良い色鉛筆使いますから。









さておき、例のように、

日本で売ってない
売ってても高い
売ってないから取り扱ってとお願いしてみたらまさかにほんとに並行輸入してくれておまけにぼやぼやしていたら速攻売切れた

面々 from UK 。

(送料が何故かUK=ロイヤルメールで送ってくれる、が良心的で、USAはボッタクリだからなにかとUK 、画材も最近UK 、服もUK 、音楽もUK 。ポンドが下がったのはでかい)





 Berol Verithin Coloured Pencil (UK)



これは別項で書くのかな(?)
掘出し。
ベリシンと言えば 『Prismacolor Verithin』(USA) 。硬質色鉛筆の雄。
ベリシン、それもベロール!?
プリズマカラーが日本じゃカリスマカラーだしかつてイーグルカラーとかその前はまた「別の名前で出てました」で
会社が二転三転しまくってナニがナニやらむちゃくちゃな混沌状態な中、
ベロール→サンフォードに会社が移る前のベロールのイギリス支社が残っていてですね、
今もベロール・ベリシンを作って売っているらしい。
しかし、UKベロールもペーパーメイトに吸収されて2010年だったかな、国内工場は閉鎖、
これも既にMade in UK ではない。(USAベリシンも現在メキシコ製)
「USAベリシンと変わらない上に安い」というイギリス評をあてこんで買ってみた。
使えそう♪

脇にいるのはレトロ・シックなクレタカラーの鉛筆エクステンダー(日本未発売)
&カヴェコのミニコンバーター(日本で買う半値)





KUM "The Masterpiesce"



Yay!
クム、ザ・マスターピース!!!

あれこれは言いません。
色鉛筆を大量消費して描いていた時に発売してほしかった。
“木軸のみをエンドレスの長さで削れ、そのあとおよそ際限も無く細く芯を尖らせられる”
ブツです!!!

「ムダに芯を削らず木軸のみ削ってくれる(大作・大量消費向きの用途)」機能は今となってはオプション、
「超・細く長く芯を出せる(細かいタッチでなるべく長時間削る手間をはぶいて描ける)」が今は有難い。

海外価格でも安くはないけど、買って良かった〜











J.Herbin 1670 "Caroube de Chypre"



一応。
海外での評価はいまいちっぽい。
(大して話題になってないし、エメラルド・オブ・チボーは相変わらず売切れ続発なのに新発売のこっちは全然売切れてない)
本来『茶色』系統は断然苦手で全く範疇外だがゴールドが入ると違ってくるからね。
秘かに期待している。






TWSBI "Vac Mini"



これが今回のお買物のメイン、他はまあいつでもいいオプションだった。
数年酷使したTWSBI  Mini がとうとう本当にダメになった(接合部分からインク漏れ。ほどこしようがない)。
ピグメントインク入れてガンガンに酷使するに耐える大容量の透明軸、
見た目Good Lookin+華奢な自分の手に合うサイズ
っつったらもうこれしか無くて(TWSBI  Miniが気に入ってても同じもの買いたくない)、
ブランジャー式の「タンクに棒軸が入っているのが目障り=どうなのよ」ながらも急ぎ注文した。

危惧してたような(TWSBI "Eco"や、Vac700のような)デザイン的な致命傷(ダサい)は無く、コンパクトですっきりしている。
ペン先の質は信頼しているし(ハズレに当たったことは無い)持ったバランスもかなりいい
。。。。から、良かった?



。。。。。今日、これが届く前日前夜、

TWSBI "Mini Al" が発売されると知った。。。。。。。。。

以前、TWSBI に直で「発売して欲しい」と訴えた、総メタルバージョンのMini 。。。。

知ってたら断然、こっち買ってたよ。。。。。。。

自分の悪運/間の悪さに嗤うしかなかった。。。。。。。