2015/11/11

Pelikan Pelikano (P480 transparent)





Pelikan Pelikano (P480 transparent) 





見ると、ドイツでは『ペリカーノ』ではなくて、こいつも「ペリカンの品番」(M200とか805とか)で通っているらしく、『P480』じゃないとひっかからない。

2010年モデルでどこでももう見ないこのスケルトンタイプ(欧米では「transparent」)をまだ売っているドイツショップを発見したものの、
問い合わせに対して

「もちろん日本に送れますよ! 送料36ユーロ=5000円で」

(実質送られへん言うてるようなもんやろバカにしとんのかドイツ人)
と一旦はコケにしたんだがダメもとで
「あのー、ペン2.3本でも送料5000円なんですか??」と食い下がったらなんと

「配送スタッフと協議の結果」(ここがドイツっぽくてシビレました)
「書留で6ユーロで送れます」(初めからそう言って)


すみません、御免なさい、ドイツ人は違うね、お返事の文面も超ジェントルで丁寧だし、
第一、大した儲けにもならない安いペンを欲しがるヨクワカラナイ日本人からの問い合わせに真面目に対応してくれてマジで感動しました。
「私の注文のためにHPのシステムまで易々と一時変更(!?)」ときた日にはドイツ人の底力を感じました。
怖い。こんな国相手に戦争なんかしちゃだめよ。粘り強さと徹底した仕事ぶりは現行日本人の比じゃなく感じる。







というわけで届きました。
「フルハルター」(万年筆)以外読めません。





そしてドイツの絵はがき。好対応の上にこんなマネされるとグッときます






そしてハンパ無いオマケ。。。。2本買ったからぜんぶ2コづつ入ってる。。。(涙)
(もっと他に買うものなかったっけ??という気にさせる商売の鑑)






本体そっちのけでオマケの写真撮ってます (消しゴム)


外国では「万年筆のペリカン」だけど、本国では日本でいう「コクヨ」とかみたいに学童用含む文具全般作ってんのよね。絵具もいっぱい売ってました(もともと絵具屋さん)。







本命。
渋過ぎ。これぞチープ&シック。






スライドして開きます。
経費かかってません。しかしグゥの音も出ないデザインぶりです。







以前国内で買った時のパッケージも添えときます。
紙っぺら一枚。組み立ててコレ。。。。安い、しかしクソシブい。。。。

。。。。お願いだから、パイロット、これくらいやって。
クソダせえカクノのクソ安っぽいブリスターパックなんか見たくもないマジで






というわけで2本追加ゲット ♪ ♪ 



「そこまでして買うほどのもの?」

Yes。

現在日本で手に入りやすいペリカンの学童用、『ペリカーノJr』と『ツイスト』だけだと思うが、

ツイスト、ニブの取り付けが固めでしなりがほとんど無い。
ニブ自体は多分同じものだが、取り付け方で描き(書き)心地はかなり違って、
このP480、しなりがあって柔らかく描ける。
&ツイスト、カッコいいんだがペンダコ痛い。

Jrは大昔使って現在手元に無いから描き心地の比較は出来ないけど、多分ツイストよりは柔らかいがここまで(P480)柔らかい印象は無い。
し、デザイン(色)がポップ過ぎて今となっては使えない。
し、キャップの質が(ドイツメイドにしては)悪くてすぐ割れる致命的な欠陥がある。

さらに、複数多数のペンにインクを入れている常態&アタマがパーなので
一目瞭然にインク色が見える透明軸がマスト。

「この値段でこの描き心地はさすがペリカン」&「イカレてるよねこのデザイン」=「見つけたら買っとけ」







そして実は少々本体のプラ素材に難があるのか、
とりたてて落とした記憶は無いんだがお尻部分にヒビが入って大事を取ってお蔵にしていた。初代。
たぶん、「本体をねじ込むとカートリッジが装填されてインクが出る」仕組み(カートリッジが押しこめられる内寸)にしてあるところに、
「カートリッジより長いコンバーター」を使用して長らく使ったせいで想定外の圧力がかかったかららしい。

ので、ペリカンに非は無いんだが(これにコンバーター使う大人がいるとは思わなかったんだろう)、
コンバーターのお尻部分を切る、か、カートリッジの再利用、または近年は専ら「エーデルシュタイン・カートリッジ専用」。






エーデルシュタインのシルバーのロゴが、あつらえたかのようにメタリックなキャップ、シルバーグレーのグリップに映える。




ともかく、これで「いつヒビが拡大して完全に崩壊するか」とビビらずに心置きなく使えます。
(それだけ「無いと困る」クラスに使える奴)

いや、良いお買物でした。 

Vielen Dank.









2015/11/03

Pelikan Twist Silver





Pelikan Twist Silver





ペリカン・ツイスト、はっきり言ってちょっと持ちにくい。
グリップのちょうどペンダコが当たる位置にふくらみが付けてあり、ペンダコがある人には確実に邪魔。
「その出っ張りをヤスリで削ったら快適になった」という稀少な有用レビューもあったがそんな根気も無く、やや不便に感じながらも使っている。

ニブはペリカーノやペリカーノジュニアと同等の「値段の割に問題無く使える」上等なM。

こういう「安い学童用でもハズレ無く高品質」はペリカンとパイロット。
ヘタなメーカーのそれなりに値段取る5000円クラスのスチールニブ買うんならペリカーノかカクノ(コイツはデザインが最低だからニブ移植等の改造の必要があるが)買ってるほうがはるかに経済性&実用性がある。ペリカンとパイロットに比べたらラミーはダメ。当たり外れがひどすぎる。シュナイダーも「お値段なり」で使えない。



若干不便でもデザインが良いからね、シルバー買いました。







メインの色展開は「やはり学童用」にポップ、かつちょっとハズレてる配色(それでもカクノよりマシなセンスだけど)。
見ると本国ではシルバーとブラック、カラーバージョンでも日本では見ない色(グレー、ピンク、ライトグリーンとか)も売っていた。


画材も含めて、日本の輸入代理店(この場合はペリカン・ジャパンだろう)、確実に日本人ユーザーの需要を見誤っている=儲け損なっている。


「ツイストを子供に買い与えようとする日本人の大人」よりも
「ツイストを自分用に買って使おうとするデザイン重視の大人」のほうが圧倒的に多いに決まってるやんけ。
なんで「ブラックとシルバー」輸入せえへんかね?アホやね。全くね。市場調査してるんかね?

ラミー・サファリ(一応ドイツでは学生用)、どれだけ現役の学生が使ってる?ほとんど大人が好んで買ってません?
ペリカーノJrでさえ大人が使ってますよ?デザインがポップでいけてる(日本の万年筆に無い)から。
ペリカーノの2010年モデルのスケルトンバージョンなんか並行輸入品が本国の2〜3倍の値段で即売切れですわ。

「シルバーとブラック、正規で輸入したほうが売れて儲かる」言うてんの。

デザインカッコいいけど配色が難で、辛うじて「ダークブルー&パープル」を選んで買ったのよ。
ペンダコ痛い以外はニブも良いし、なんせデザインが良いから愛着持って使ってるの。
そんで本国ではシルバー(カッコよすぎ)売ってるっつって、即取り寄せたんです。




ブラックはこんなかんじ。








手持ちの「ダークブルー&パープル」とこんなことしてみたら、俄然
「ブラックも買う。。。?」(ブラックとやると超カッコイイな)
こうなると実用そっちのけ。

しかしダサイといくら高性能と言われても持つ気にならないがカッコイイと多少難ありでも愛着を持って使えてしまうんだからしょうがない。


ちなみに送料込みで1600円程度(10月現在のユーロ為替で)でした。



ttm








2015/10/30

Tomoe River Notebook (DIY)































買ったはいいものの、バラでは扱いにくくて持て余していたトモエリバーのルーズシート、
放っておいてももったいないしトモエリバーに書きたいしカキモリは遠いし(ホワイトしか無いし)巴川は適価のノート出してくれないし製本会社に発注とかもさらに大儀だし、なんとなくやってみた

カール事務機のゲージパンチが厚紙をパンチできないから、無印のインデックスを表紙に使ったんだが
やはり薄い。
ペラペラのトモエリバーでもA4・100枚となると重く、ペラペラゆえに自立性が無くクニャクニャなのでしっかりした厚紙じゃないと心もとない。
書く時リングがウザいので上下8穴づつにしたらクネクネに曲がって無理なので12穴づつにしてやっとしっかり感は出たが、全部の穴に通したほうが無難。使わない表紙の穴もブサイクだし。

同じくカール事務機のリングが思ったより安物感が強く、耐久性も怪しい構造だし、トータル愛着持てそうに無い仕上がりだからこれっきりだけど、とりあえず使えそうなので満足。所要時間30分くらい。






この白い折り目部分が安物感サクレツ





しかしちゃんと折り返して使える。








そしてやはりクニャクニャに参って使用3日目、全部の穴に通し、さらに表紙をインデックス2枚張り合わせにしたら、かなりしっかり感が出て、見栄え・持った感触も格段良くなった。
「これなら使えんじゃね?」と思ったものの、
やはりトモエリバーのペラペラぶり(自立性の無さ)から、ページをめくるのも大儀、ノートにするにはB5が限界かと思われた。


しかしバラだと使うのが億劫(なんせペラペラだから台紙は要るし持ち運びも面倒だし)だったルーズシートも束になるとほんと、使いやすいね。描きやすい。無論書きやすい。



1670『エメラルド・オブ・チボー』が「トモエリバーじゃないと玉虫色の濃淡出ないよ!!」って海外サイトで大騒ぎなので、巴川さん、早くノート作ったほうがいいですよ5000円もする限定品なんかいいから。
かく言う私もエメラルド・オブ・チボーで書いてます。
これ以上無いつゆだくコンビで怖いくらいです(マジでペンがインク漏れ?と勘違いするくらい滴って流れ出る)。
だから「クレイジーな濃淡」が出るんですね。
その分、乾きも尋常じゃなく遅いです。気が付いたら指先真っ青とかです。
実用的にはどうなのよコンビですが、
「クレイジーな書き味」と「クレイジーな美しさ」の前ではどうでもいいことです。


ttm




paper : Tomoe River
ink : J.Herbin 1670 "Emerald of Chivor"















2015/10/23

Diamine Shimmertastic "Golden Sands"








イエローインクはいくつか試して、どれも「フローが渋過ぎ」「発色が薄い」、で早々に諦めた。
そもそも純粋なイエローにそそられることは無く、画材的に使えるかと純粋イエロー系を試してみただけ、
「琥珀系」「ゴールド系(ややオレンジ寄り)」が生理的好み。

しかし「琥珀」すなわち「アンバー」と称して売られている大概は「セピア」系すなわち茶色傾向で大いに避けたい大嫌いな色味、「どこが琥珀??琥珀見たことある???飴色って分かる?透明感って意味知ってる????!!!??」なシロモノばかりでこれもほぼ諦めて、
唯一イエロー系ではゴージャスな濃淡を見せるヌードラーズ『アパッチサンセット』(オレンジ寄りのゴールデンイエロー)のみ使っていた。

ら、これだ。
ダイアミン『ゴールデンサンズ』(日本語的には『ゴールデンサンド』か?)。

Shimmertasticシリーズの中で、最も混色の際のベースインクとして使えるか=他のインクにゴールドを混ぜるのに適しているか、という目論見で買ったんだが、
予想外にこれが、「単色でも使える琥珀色」だったのが良い意味で誤算。
ベースの色は単体では黄土色、しかしゴールドの陰影が付く部分は見事に飴色に変化して「真の琥珀色」を見せる。







全体的には、ラメ状にきらめく金粉効果もあって「ゴールド感」も強く出る。
「ゴールドインク」と言うにふさわしいインクは現在これ以外無いんじゃね、と思わせる発色。



金濃度が高い部分と低い部分との発色の落差が激しい(妙に極端な濃淡が付く)のは同じShimmertasticシリーズの『ブランデーダズル(赤銅)』も同じで1670系とは違うクセがある。
(恐らく、1670のベースが濃いのに対して、こちらのベースが薄いことが関係していると思う。1670もベースのインク発色が薄かったら「同様の現象が起こっているのが目立って見える」と思われる=1670レッド『ルージュ・ヘマタイト』、1670グリーンブルー『エメラルド・オブ・チボー』もインクが濃く溜まる部分で極端な変色を見せるが、ベースの発色が濃いのでこちらほど目立たない)







ベースのインク色が薄いせいで、瓶の中を流れる金粉が丸見えの美しさは、全1670含め、他に無い(動画向き)。



ともあれ、イエロー系(真の琥珀)は諦めていた私の、唯一使えるイエロー(アンバー)インクの座を易々と占めたのです。
目論見通り、混色のベースとしてもナイス効果(手持ちの金粉入り面子の中では最も金の露出が安定して多い)


しかし、イエロー系の「フローの渋さ」は哀しいかな健在、他のもっと酷いヤツよりマシだけど、
何度もペンを振りながら(ペン先にインクを持っていきながら)描くのはストレス、
描線の勢い、描くテンションにも悪影響、
発色は良くても「長期常用(愛用)」インクの座を占めることは難い。


★「イエロー系の渋さ」ではなく、「Diamine Shimmertasticシリーズの渋さ」の可能性も高い。
他購入した3本も、全てフローが渋い。

1670は「金粉がフローを渋くする=フィードに詰まりやすいのを見越して」か、「そもそもエルバンのインク群が水っぽくてシャバシャバ(フローが良いものが多い)」だからたまたまなのか、『エメラルド・オブ・チボー』を筆頭に非常にフローが良い(渋いと感じるレッドもこちらのシリーズに比べたら全然マシ)。金粉がフィードに詰まることがままあっても基本的なベースインクのフローはダブダブで、ストレス無く勢いのある線が引ける。

こちらはベースインク自体渋い+金粉でなお出づらくなっている。

多分、全てのShimmertastic Ink、このフローの渋さ故にリピートすることは無いと思う。




ttm






Diamine "Golden Sands" × Diamine "Brandy Dazzle"













2015/10/21

Diamine Shimmertastic Ink





序章。









金粉入りはゴールドのキャップ、ラベルもゴールドベース、銀粉入りも然りで一目で見分けられる。

発売前の先行レビューで色味を見て、そそられる&使えそうな色をザッと選んだらこのセレクトだった。



Night Sky (Black + Silver)
Sparkling Shadows  (Grey + Gold)
Golden Sands  (Yellow + Gold)
Brandy Dazzle  (Brandy + Gold)



そもそも1670『Stormy Gray』がむちゃくちゃ使える(既に2本消費)、
「単体で絵になる」「混色で他のインクにゴールドを添えて美」「筆記にも最高のヌメヌメインクフロー」
ので、大いに期待して『グレー/金』と『黒/銀』、
「最も金が映える色味」でイエローとブランデー色の選択。

他のブルーやパープル、グリーン、レッドはベースの色が好みではない上に金銀が映えて見えなかった。
「これなら金粉入りインクと好みのインクをミックスするので十分でしょ」で、弾いた。
(特に『グリーン/銀』はミス。『グリーン/金』でしょ。それより『レッド/銀』を作るべきで、それなら“断然”買ったけどね)








1670よろしく、こんなウンチク紙が入っているが別に大したことは書いてないので邪魔だから要らないわ
(「情緒に走って儲けよう!」高級インクの始祖、カランダッシュ『カラー・オブ・ジアース』シリーズのミニパンフを踏襲しているんだろうけどボトルの出し入れの際にウザイしなんだか捨てられないしでけむたい存在)









とにかく、デザイン良いよ。

イロシズクとかエーデルシュタイン、カランダッシュ、ファーバーカステルの類いが
「いかにも高級でしょ?? ね!? 嬉しいよね!!? 高そうなの!? 好きでしょっ!!?」
な押し付けがましいスノッブ感バリバリなのに対して、さすがエゲレス、ちゃいますな、行く方向がな。

それなりのデザイナーに発注したらしい(底面にデザイナー名が書いてあった)。
それくらいやれよセーラー(ぼやき)




というわけで疲れたのでお開き。
着々描きまくって手応えを見ているが、
全体の傾向で言えるのは、

・金/銀パーセントは1670より多い=金銀の露出が派手。
・その分1670より詰まりやすく、「かえって金銀が出にくい」状況が多いように見える。
・黒系以外のカラーは1670よりベースが格段水っぽく薄い発色で、金の出方も相まって1670とはかなり違った趣き。
・1670より断然、フローが渋い(この点、作画用インクの生命線。若干雲行きは怪しい)



以上。各インクの詳細に続くや否や不明


ttm
















2015/10/16

treasure box









キてます。




立て込んでいるので後日

















2015/10/08

Pelikan Edelstein "Amethyst"






ink : Pelikan Edelstein "Amethyst"
pen : Pelikan Twist





ぱっとしないものは書く気が失せるとか書かないとか。。
(やたらヒドいものはかえって怒りに任せて書いたりとか)

これもまあどうでもいい類いなんだが。発売直後に買っておきながら今更とりあえずなんとなく









えーと、
赤寄り=ボルドー寄りの紫で、日本的には『京紫』、放っとくと茶色方向に煮詰まる。
赤紫インクにたまに見られる「ややゴールドっぽく光る」傾向はあるけどセーラー『グレナーデ』ほど派手に光らない。
エーデルシュタイン的に「水っぽくて濁り気味」=くっきりハッキリしないので「あいまい→幽玄→シブい」とかそういう嗜好の人にはまあいいのかな。

濃淡が出にくい紫インクの中では出るほう。








しかし、期待以下。
(ちなみに青はエーデルシュタイン『トパーズ』。この紙ではどうしようもないが別の紙では激変して強い陰影が出る)






Pelikan Edelstein "Garnet"



ガーネットはこれ(黒い影が出る。これが最大の魅力)

たぶん2012年(?)の『トルマリン』が妖しいほどドス黒い影が出て、これをアメジストに期待したんだがだめだった。

渋めで日本的とも言える風呂敷色は、まあ、気分次第で「いい色ね」なんだけど
特筆するようなズバ抜けた特徴が無い。


今時エルバン1670ですから、「他に無い」じゃないと買わないですよ。
他に無いキタナい色(エーデルシュタイン『アンバー』)は結構ですけど。
隔年で当たり外れが来るのかね?エーデルシュタイン
(トルマリン=2012、アンバー=2013、ガーネット=2014、アメジスト=2015)



終局: 「カートリッジにしといて良かった〜」なインクで御座候。















2015/09/16

DERWENT DRAWING "Ink Blue"






DERWENT DRAWING PENCIL "Ink Blue"






あー、ダーウェントです。

何故か取り扱っているお店が少なくて手に入りにくいですね。日本で。


イギリスのメーカーらしい特異な色展開のシリーズをたくさん出しています。
ガーデニング大国で古くから自然の描写が大好きなお国柄=ナチュラル・アースカラーに特化した色鉛筆/チャコールがずらりと揃ってます。
お国柄出ますね。米・カリスマカラー(プリズマカラー)はハッキリしたかなりビビッドな色展開で、深みのあるシブい色には弱いです。独・ポリクロモスのほうが渋い色味は多いですね。日本の色鉛筆の発色については書きだすとエンドレスの罵詈雑言、空しいのでやめておきます。

ところで私はアースカラーは眼中に無いのでダーウェントのこの手のドローイングペンシル/チャコールの類いはほとんど使えない色味なのですが、
茶色やセピアやなんだの地味なアースカラーの中に忽然と一色、『インク・ブルー』を発見。



『インク・ブルー』

色々感慨深いです。


今は亡き、英・ヤード・オ・レッドの『旧』ブルーブラックインク、
「澱が溜まる」だの「ペン先が詰まる」だののフザケた苦情を受けてか現行のものは大幅に色味が変わって全く使えないジジむさいグレーに濁ったそこらへんにいくらでも転がっている平凡で陳腐なブルーブラックに成り下がっていますが、
以前の(既に幻の)、旧ブルーブラックインクは、
「緑の発色が強く、クリアで、異常に美しい陰影を出す、私が唯一使える、たった一本のブルーブラックインク」でした。


それを思い出させます。ダーウェント『インク・ブルー』。
かなり緑が入ったダークなブルー。
イギリスで「インク・ブルー」といえばつまり「緑がかっている」という通念が見てとれます。


今は全く見ませんが、当初インク探しで日本のサイトをちらほら見ていたら、
この「かなり緑がかったクリアなブルーブラック」を敬遠する「万年筆愛好家(ヲタク)」のオッサンの類いが多数散見され、あまつさえ「澱が溜まらなくなって万年筆には安全」になった新・ヤード・オ・レッドブルーブラックを歓迎する向きも見えて呆れ返ったものです。
「『高価な』『趣味の』『ご愛用の万年筆』の安全のためなら、美しい色味・発色・濃淡の美しさなんかどうでもいい」らしいです。
そもそもこの、他に無い発色の美しさが解らないのですから(「グレーに濁っていたら渋くて良い色」程度の審美眼しか無いらしいので)、しょうがないですね。
(そういうあまりにもくだらない「実用には全く用立たない」「無意味に情緒的に傾いたウンチク」かつ「右向け右的に似たり寄ったりな感想しか書けない」記事しか見えないので有用性ゼロ・時間のムダと判断してさっさと日本のサイトでリサーチすることはやめました)




YARD・O・LED New "Shit" Blue Black / YARD・O・LED Old Type Blue Black



決定的な色味の違いや、イギリス本国のヤード・オ・レッドのクソ回答等、詳細をバクロする気力があるならいつか書くのかなめんどくさいしもうだいたい言ったからいいか





怨み節はさておき
ダーウェント・ドローイング、
他メーカーのカラーペンシル/チャコール類と同様、色によってスムースさ、肌理、発色の鮮明さは違うが、
この『インク・ブルー』、ドローイングシリーズの中ではズバ抜けてスムースでムラが少ない。
色が良い。
芯が太い(たぶん4mm)。
柔らかい。
色素が多い。
超・描きやすい。
最近カランダッシュ『ルミナンス』(超・ソフトコア)に開眼中だが、この色味は無いしね、当たりだ。
(無論、肌理はルミナンスに全く劣る。しかしラフなタッチでトバして描くにはこの柔らかさと発色は使える)








実際より青く写るなやはりこのポンコツカメラ。(実際はもっと緑がかっている)




ttm











2015/09/05

PALOMINO "BLACKWING"






PALOMINO "BLACKWING" 
 (Made in Japan)





なんでこれを買ったのか、一向に思い出せません。


買った時から日本製だとは知っていて、出来ればブランドネームで高額なコレではなくて
コレを作っている日本のメーカーのものを買いたかったのですが、メーカーが判らなかったのです今も知りません。

とにかく買ったいきさつがサッパリ解らず、
買ってみたものの「何やコレ」で放置、という悲惨な末路だったのですが、

いまさらグラファイトに目覚めて引出しの奥に転がっていたコレを使ってみたら
「あら、いいじゃないの」


三菱に目覚めたのですけれど、比べると
「こういうサラサラもいいわね」な全く違う描き心地。
スルスル〜っと油が滑るような三菱に対して
サラサラサラサラサラサラとウルサいくらいパウダリー。
「三菱って滑り過ぎて描きにくいわよね」とかまで思ってしまいます。
(サラリとしたパウダー状なので私のようにハイスピードで時にたたきつけるように描く場合アバタになりやすい難はある)









ちなみに消しゴムは一切使わないしやたらに長くてウザいので引っこ抜いたらみじめな体裁。
(試しに使ってみたらロクに消えなかったのでゴムパーツに関しては日本製じゃないのかもしれません)
602(硬い硬度)まで買ってあるし、本当にナニを考えていたのか分かりません。
できれば日本の製造元を知りたいんですけど調べるのが億劫なのでまあいいです。
さらについでに言うと三菱より減りが異常に遅く、経済的です(三菱が減りやすいとも言えるのでせうか。。)




同じ『伝説の』(つまり、元祖のメーカーは既に潰れていて、ブランド名だけ復活させた)
某モレスキンよりよっぽど品質的にはマトモなものを提供していると思いますよアメリカ人



ttm










2015/08/22

TWSBI "Eco"









。。。。。。書く気はなかったのですが。
誰かがすでにどこかで書いているとかは、見ませんので存じ上げませんし
だいたい独り言なのですけれど。。。。。





普通『エコ』と言われたら、
ミニマム=シンプル=コンパクト、とイメージするのは、私(日本人)だけでしょうか。。。





TWSBI  "Eco" / Pelikan "M205"




若干太いのは良いですよ。。。








でもこの『クソデカくて重い』、『お尻にポストしたら異様な偉容』、『バランスもどうなのよ』『本当にこれで良かったの??』『ナニかの間違い??』としか言いようの無い、キャップ。。。。。キャップ。。。。




キャップしたままの常態でも、デザイン的なバランスは、はっきり言って、申し訳ないんですけど、台湾びいきですし、TWSBIにいろいろお世話にもなりましたし、サービスは満点なんですけど。。。
。。。野暮。。。ダサい。。。。。正直箱を開けて取り出して手にした瞬間、「やっちまった」。




ペン先はMiniのとは違って、Fですらかなり細く、日本メーカー並み(ミニは海外メーカーサイズでした、たぶん)。悪くないですよ。
ミニよりはるかにインク容量大きいし。ニブ+フィード部分が完全に見えてるのもいいです(1670Grayとかのクセ者インクでも詰まりの原因が見た目で分かる。ミニはニブユニットになっていて中身が見えない)


けど、Vac700の失敗を彷彿させます。
ミニのデザイン性/トータルのバランスの良さ、が例外なのですか?



TWSBI  "Mini" / TWSBI  "Eco" 



プラ製でやたらデカいキャップが浮いて強調されて、全体を必要以上に安く見せてます。
これがコンパクトなら、スッキリして質感が安めでも全体のバランスが取れて見られます。
というか無性に非常に無闇に残念です。
手の届きやすいこの価格帯で「吸入式」は(正直使えないオモチャ並みのヌードラーズを除いて)存在しないですから、「スゲーTWSBI、やったね!まさに私(多くのヘビーユーザー)が必要としていたものだよ!」、超期待して買ったらこれだもん。。。
キャップさえスッキリコンパクトなら(これの半分の長さで本体と同じ太さなら)超カッコよくて使えますよ。なんでこんなデッカイの無意味に? しつこいけど? 今からでも変えられない??? マジな話?







まずお尻にポストして使えないです。
(やたら長くて偉容、それが安っぽいから見られたものじゃない)
外したボディだけならスッキリしてかっこいい。
から、なおさら、邪魔なキャップ握りしめて遣る瀬ない気持ち。。。
書き終えてキャップを付けた姿に溜め息。。。
愛用(常用)できませんよ。


安い素材感でもラミー『サファリ』、パーカー『ベクター』、なんかはデザイン性が高い(バランスが美しい)からカッコいいんです。身の程(チープさ)をわきまえたミニマム・デザイン、スッキリした機能美、で「安さ」を免れているのです。ペリカンM200/205デモンストレーターなんかもそうですね。


チープな作り/素材感なのに大振りなサイズ感と、無意味にデコラティヴに突出したキャップ、は致命的な「安物感」=野暮を作り出しています。


ついでに、ペン先方向のバレル内部にも「要らん溝」が付いています。
おそらく「インクが溝に溜まって美しい見栄え」の演出を狙ったのでしょうが、
これも私の感覚では「小汚く見えて」逆効果です。
ブラックインク使用なので、なおさらこんな感じにスッキリしません。






ともかく、デザイン的に失敗だと思います。
企画としては凄い(サファリクラスの価格帯で吸入式、現行品ではほぼ唯一)から、しつこいですけど残念至極。
ヘタに「他のと差別化しよう」とデザインをアレコレしたんでしょうけど、
シンプルで通して欲しかったですね。Vac700の奇妙に特化して野暮になってるデザインを思い出させます。
デカいサイズ好みの外国人(アメリカ人)ユーザーには受けるんでしょうか? 計り知れませんけど、
私には受けませんでした。



マイナーチェンジはしそうにないですし、他社がこの「空白地帯」(お手頃価格の吸入式透明軸、かつグッドデザイン)を埋めてくれることを期待します。



ttm